Phase 3.1: 古い記憶の都へ

「ね」	駅に戻ってきたね。今度はどこ行くんだ？
「モ」	シエナに行くんだよ。
「ね」	シエナ？ あんまり聞いた事無い名前だな。
「モ」	シエナはかつてフィレンツェと勢力を競い合っていたくらいの、この辺の中心都市だったんだよ。 今でも中世の面影が残っていて、「パリオ」っていう競馬のお祭りが有名なんだって。
「ね」	へーーー。じゃあ、競馬場があるの？
「モ」	ううん。街の中心にあるカンポ広場で行われるんだよ。 しかも、その競馬はコントラーダって言う日本の町内会みたいなグループでの競争なんだよ。
「ね」	イタリアにも町内会があるのか。じゃあ回覧板とか回ってくるのかな？
「モ」	はっきりとはわからないけど、コントラーダはシエナ以外には無いらしいよ。 でも、シエナのコントラーダは17世紀頃からあるんだって。
「ね」	へぇぇぇぇぇぇ。どんな所なんだろう。みてみたいね。
「モ」	ローカル線の雰囲気だね。
「ね」	写真撮るからって窓から手や顔を出しちゃいけないんだぞ!!
「モ」	おにいちゃんに注意しておこうね。 おにいちゃんって、なにげに鉄分多くない？（笑）
「ね」	山手線とか乗っても一番前で運転席とか眺めているタイプだよな。 (※くらにょん： その通りです)
「モ」	のどかなローカル線と言ったら、やっぱり… ちゃちゃっちゃちゃららら〜
「ね」	それイタリア着いたときも歌ってたよね。
「モ」	えへへへへ
「ね」	さぁって、シエナの写真はどんなのかなぁ〜
「モ」	ねこ子ちゃん。わざと言ってる？
「ね」	さ、さぁ。何のことだか（苦笑） アイツが宿見つけられないで、写真取り損ねた事なら知ってるけど
「モ」	ま、そう言うことで、シエナは泊まらずに去ったから写真無いのよね。 宿見つけてからのんびり写真撮るつもりだったらしいけど。 いい街なのにね。残念だよね。
「ね」	また来ればいいじゃん
「モ」	おにいちゃんもそう言ってるけど、おにいちゃんの言うことだからね…

ローカル線
ついて初日から予定を崩してしまったので、さっさとルート変更でシエナに行くことになったのです。シエナは元々行ってみたかったのですが、ルート的に難しいかなと思って今回は見送りのつもりだったのです。
でも、地図みたらGrossetoからシエナへはローカル線で一本。一時間半ほどで行けることがわかったのでした。
非電化(つまり、ディーゼル)単線のいかにもローカル線に、一昔前の車両というローカル線のパターンは日本と同じですね。
ちなみに、車両は二両編成＋機関車。くらにょんの乗った車両には他にお客さんいなかったみたいです。
あーー、『鉄分』とは、ここでは「鉄道マニア」みたいな意味ですからね（笑）。

シエナの宿
なんかね、シエナには宿がないのですよ。
四つ星の高いホテルはいくつかあったのだけど、それ以外が全然。
大抵、宿屋って言うのは、駅の周辺か街の中心部の裏などに多くある物なのですが、シエナにはありませんでした。一軒見つけた安宿で聞いてみても、他に安宿はないとのことでした(4〜5キロ離れたところにならあるって言ってたけど)。
シエナは観光も出来るけど、大学の町でもあり、また、すごく保守的な街でもあるので、よそ者が来る観光にはあまり力入れてないのかな。