イラク派兵は何を起こすのか |
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2003ねん12がつ10にち |
自衛隊のイラク派兵が決定された。 いつも何も言わない不透明性バツグンの首相だが、結果だけは見えていたので特に驚くこともないが、これで日本も戦争に巻き込まれることになりました。 テロが何故起きるかと言えば、侵略に対する対抗であることが大きいのではないかと思います。それは武力だけではなく、経済侵略、文化侵略も含まれるのですが、やはり武力による侵略は大きな抵抗を生み出します。 イラクの現状を見てもわかるように、侵略軍は我が物顔で街中を戦車で走り回り、武器を見せつけて服従させようとしていますが(それが『治安維持』という名目で行われている)、イラク人にとってこれほどの屈辱はありません。 いや、イラク人に限らず、外国人が銃火機を持ち、その銃口を街中や群衆に向けながら走り回っていれば、だれたって反感もつしかないのです。 TVなどでバクダットの映像を見る機会があると思いますが、あの中で自分がイラク人だったとして、アメリカ軍を見て、解放してくれた英雄だと思うような事はあり得ないのは明らかです。 イラク人の本音はなかなか見えてきませんが、多くの人はフセインが去って一息つくまもなく、アメリカに支配されていると感じているのではないでしょうか。 たとえは悪いけど、かつて台湾が日本に支配されていました。第二次大戦後日本軍が撤退し、平和が来ると思いきや、大陸から来た中国軍に支配され、悪行三昧。あげくの果てには日本に侵略されていた方がまともだったと言われる状態。それに近い状態なのかも知れません。 マスコミ報道でも、ブッシュ大統領の戦争終結宣言以降、イラク側からの襲撃は「フセイン支持派の残党」と、繰り返し言われていましたが、最近単に「反対勢力」と言い換えられているのに気づいているでしょうか。 個人的に、いつまでフセイン勢力のせいにしているか気になっていたのですが、さすがに無理があると気づいたのか、10月頃から言い変わっているようです。 ある意味、反対勢力が広くイラク人一般から起きていることをアメリカ側も認めたと、取れるのではないでしょうか。 このようなことを見ても、わかるのは、テロを生み出しているのは、派兵している軍の存在そのものだと言うことです。 外国の軍が自分たちの国を好き勝手に侵略している(アメリカなどの同盟国はこの侵略を『イラク復興支援』と呼ぶのだが…) → 何とかして国を守らなくてはならない → まともに向かってかなう相手ではない → テロ行為で抵抗する あまりにもありきたりの図式がイラクでも起きているのです。 確かに治安は悪い。海外からの軍がいなければ略奪などがもっと増えるかも知れない。でも、その場合の治安の悪化は自爆テロなどの対象にはなり得ないし、今だけではなく、継続的に対処すべき問題であり、イラク人自身が解決するべきことです。 日本人外交官が二人殺された。だから派兵をやめたらテロに屈することになるのか? 自衛隊派兵は報復なのか?あまりに醜い理由ではないか。 テロに対して断固と立ち向かうなら、その原因を取り除くべきです。 繰り返しますが、派兵はテロを加速させるだけです。決して解決になりません。イラクの内戦を長引かせるだけです。 自衛隊がイラクに派兵されることによって、現地で活動している日本人(ジャーナリストやNPOなど)も、確実にテロの標的になるわけです。 長々と書きましたが、イラク人がどうなろうと、自衛隊や民間人が何人死のうと、アメリカと良好な関係を保てれば良いっていうのが、政府の本音なんだろうな。 ( Top▲ )
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